家

私が初めて実家を出たのは社会人になってからだが、実家の居心地が悪いと感じるようになったのはいつからだろうか。

たぶん結婚してから、特に子どもが生まれてからだ、と思う。

それはなぜか。

独身時代、一人暮らしをしていた家は、仕事から帰ってきて寝るだけの場所だった。一日のうち職場にいる時間が一番長く、自分にとって家はあくまで休憩場、つまり仮住まいだったのだと思う。

それが結婚を機に引越して、夫と2人の「家」ができた。

さらに子どもが生まれて産休に入ると家にいる時間が長くなる。

すると、自然と過ごす時間が長い「家」の居心地をなるべく良くしよう、という気持ちが働くものだ。

家は手をかけるほど効率的で使いやすく愛着の湧く場所になっていく。

独身時代、全国出張しながらがむしゃらに働いていたときは根無草だったのが、家に根を張るようになるのだ。

根無草だったときには、実家を出ているとはいえ、自分にとっての「家」は気持ちの上ではまだ実家だったのではないかと思う。

それが結婚して自分の家を持つようになってから、実家がよその家になっていき、相対的に自分の家より居心地の悪い場所になっていくのだと思う。

実家は何も変わっていなくても、自分の認識は変わる。

これは別に悪いことではない。

 

写真は、お絵描きする息子。最近、新幹線や電車に夢中。

 

京野
ばいちゃ!
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