
産院に入院していたとき。久しぶりに自分のために音楽を聴いた。
それがフラワーカンパニーズの「深夜高速」。
この曲がリリースされたのはだいぶ昔だ思うけど、当時リアルタイムでこの曲を聴いていたわけではない。
だから、この曲自体にものすごく思い入れがあるとかそういうのではない。
だけど、なぜか何度もリピートして聴いた。産後メンタルでノスタルジックな気持ちになっているせいかもしれない。
病室は個室だったから、スマートフォンのスピーカーから繰り返しこの曲を流した。
この少し前に、弟に聞いて「THE FIRST TAKE」を知った。招待されたアーティストが一発撮りで音楽を収録されてする企画。
ポルノグラフィティの「サウダージ」が良いというのでこれを聴いた。この曲はリリース当時に聴いていたから懐かしくて、未だ衰えない歌声に痺れた。プロだ、と思った。
そのとき、関連動画に表示された曲のひとつが「深夜高速」だった。本当にたまたま聴いただけだった。
歳をとってもプロとして魅せる力がある人を尊敬する。
10年20年のブランクを経ていきなり実力は発揮できない。変わらぬ力を出せるということは、その間絶えず爪を磨いていたということ。
私もそんな大人でありたい。すっと「プロだ」と言える自分でいたい。
そういう人はいつまでも若い、と思う。
この曲を聴いていて思うのは、ベースやドラムの存在感だ。
音楽はチーム。一言も言葉を発さず、確実に音を刻む彼らの仕事ぶりにぐっとくる。
おそらくこの歳になったから感じることだ。
若い頃はどうしてもボーカルのような見えやすい部分に目が行く。
今、ベースに耳を傾ける自分を発見して、歳をとったな、と思う。
写真は、実家の玄関にある薔薇の蕾。

京野
ばいちゃ!