敢えての

コロナ禍の今、長女を出産した産院では入院中の面会が禁止されていた。

しかし、1日だけ夫が面会できる日があった。この日は夫の分の夕食も準備され、部屋で一緒に食べることができるという、いわばコロナ禍における特別サービス企画。

 

このときのメニューが「生姜焼き定食」だった。

 

私は運ばれてきた夕食メニューを見て「分かってるねぇ〜〜〜」と思った。

実は、夫との面会日の前日、「特別ランチ」と称し、豪華なコース料理が出た。おやつには3段のアフタヌーンティーも。

しかし夫の面会日には生姜焼き定食。

 

普通、病院として食事のクオリティをドヤりたいなら、夫の面会日にコース料理を出してしまうと思う。しかしそれをしない。

 

なぜか。

 

夫の面会日の食事をゴージャスにすると、「お前、いつもこんな美味いもの食ってるのか」「俺の飯も用意せずに、自分は病院で良い思いしてるのか」と思う男がいるのではないか。

あくまで想像だけど、ここまで極端でなくとも、妻が入院して家に残された夫は、妻が病院で良い思いをしているということについて快く思わないという人もいるのではないだろうか。

産後のキツさは、未経験の人には想像はできても理解できるものではない。

妻を守るために、敢えての生姜焼き定食。ただし、メロンとプリンのデザート付きで妻を労っている「豪華生姜焼き定食」で妻を労っていますよアピールできている完璧な陣営なのでは、と思ったのだった。

 

 

写真は、夫との面会日の前日に出たスペシャルランチのノンアルコールワイン。

 

 

京野
ばいちゃ!
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