入院三日目

昨日の夜から徐々に胸が張ってきた。

脇の下のリンパのあたりが腫れてきて熱を持っている。痛くて眠れそうもない。

とにかく「痛い」っていう言葉しか出てこない。

 

陣痛のときも思ったけれど、痛みが続くって本当に嫌だと思った。

陣痛やおっぱいの痛みは終わりがあることが頭で分かっているからまだ耐えられる。

これが、死に向かう痛みだったら本当に狂いそうになるだろうな、と想像する。

痛いと思いながら死ぬのは嫌だ、と思った。

 

出産は痛みを伴う。

そしてその痛みは誰にも代わってもらえない。

陣痛も出産も授乳の痛みも、一度で良いから夫にも味わってもらいたいものだ、と思う。

痛みに耐えながら「この痛みをどうしたら体験してもらえるのだろうか。薬で痛覚を刺激しながらVRで疑似体験?いやでもそんなものができてしまったらいじめや拷問に利用されて大変だ」などとおかしなことを考え始める。

 

今回の産院では、22時以降母子同室ができないルールになっている。

22時に赤ちゃんを新生児室に預けに行ったときに、おっぱいの痛みの相談をしてみたけれど取り合ってもらえず。人手が足りていない模様。

それでも誰かに痛みを共有したくて、オンライン軍師コミュニティに書き込みをした。メンバーが即レスをくれて大変にありがたかった。

 

22時から翌朝10時まで赤ちゃんは新生児室預かりとなるが、その間2時と6時が授乳時間となっており、自分で授乳したい人は新生児室に出向いて授乳を行える。希望を出さなければ新生児室のスタッフがミルクを与えてくれる。

私は早く母乳を開通させたくて、2時にも6時にも授乳に出向いた。

6時の授乳室は密になる。一斉授乳にしているのだから当然だと思う。もう少し分散させるべきだと思う。

 

22時に相談したときには取り合ってもらえなかったが、2時のときには担当が変わっており、話を聞いてもらえて心が少し軽くなった。

オンライン軍師のメンバーから「おっぱい問題は母の数だけある」「せっかく病院にいるんだからさっさと相談しなさい」と背中を押されたこともあり、諦めず相談してみてよかった、と思った。

結局、胸の痛みについては冷やすしかないということでその場でアイスノンを購入。このおかげでだいぶ楽になった。

その後、部屋に戻ってからクッションを積み重ねて丘を作り、アイスノンで脇を冷やしながら体勢を整えてようやく少しだけ睡眠を取ることができた。

 

疲れのため朝7時半の朝食時間には起きることができず。起きたときに机の上に置いてあった朝食を8時半に食べた。

9時半に退院検診。今回の産院では三泊四日なので、もう明日退院なのである。早い。もっと入院していたい。

 

明日退院ということでランチは黙食のコース料理だった。

このとき、フロアリーダーのような人から出産祝福の簡単な挨拶があり、なぜか感極まって泣いてしまった。

今回はコロナ禍で面会が一切なく、産後誰にも会えずにいたため、改めて初めて人から言われた「出産おつかれさま」「おめでとう」だったのだった。

「ひとりでがんばらなければ」と気負って張り詰めていた緊張の糸が切れたようだった。

 

その後、13時に「本日担当の助産師です」と挨拶に来てくれた方がとても良い人だった。母乳指導を受け、退院後は完全母乳でいけそうだと言ってもらい嬉しかった。

14時半からは退院説明、16時半に夫が到着。

今回はコロナ禍ということもあり、個室の人のみ退院前日に家族で夕食をともにすることができることになっている。別れるときに辛くなるので3歳長男の面会はなしにした。

久しぶりに夫婦でゆっくりできてよかった。パッキングを手伝ってもらった。

 

入院期間中、母や弟からときどき息子の写真が送られてくる。入院生活自体はあっという間に感じるのに、息子にはずいぶんと会っていない気がするのが不思議だ。

ふと写真アプリで息子の成長の軌跡を見ていたら涙が止まらなくなってしまった。

早く息子に会いたい。

 

いよいよ明日退院である。

 

写真は、個室病棟の電気。

 

 

京野
ばいちゃ!
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