発表の効果と後悔

今朝は5:30からオンライン軍師コミュニティの中でイベントを開催した。

タイトルは「オンライン軍師 設計会議」。

私の頭の中にある、オンライン軍師サービスの次の設計について発表した。

 

前にも書いたけれど、私はずっと同じことができない人間で、常に「次はどんな新しいことをしようか?」と考えている。

オンライン軍師コミュニティも、今はとてもうまくいっているように見えるけれど、ずっと同じことをしていては駄目だと思っている。

何より私自身が面白くないし…。

そこで、今後の設計について考えていることを資料にまとめて発表してみることにした。

ちなみに、「今後」というのは数年スパンを想定している。

 

ところで、私はこの手の発表が苦手である。発表そのものが嫌いというよりは後味が嫌なのである。

そもそも何かを発表しよう、人に聞いてもらおうと思っているときには、なんらか人に伝えたいことがあるときなわけで、あれこれ考えたり資料にまとめながら、どちらかというと気持ちが先行しているような状態になる。

自分のなかで思考が加速し、勢いがついていて、いうなれば少し興奮していて冷静でない状態といえる。

その勢いのまま発表を終えると、そのあと冷静になったときにソワソワしてくる。

たいてい「自分はなんてちっぽけな発表をしてしまったのだろう」と後悔する。

これは、数学の証明問題が「解けた!」と思って浮かれていたけど、翌朝冷静になってみたら実は解けていなかったとか、行き勇んで先生のところで証明を展開し始めたら途中でミスに気付いたとか、そういう恥ずかしさに似ている。

自分は本当にその問題が解けたのだろうか?とまずはまっさきに自分を疑って確認作業をすれば良かった。そういう後悔だ。

しかしどんなに確認作業を行っても、発表のあとは何らかこの種の恥ずかしさが残るので諦めるしかないという部分もある。

逆に、その恥ずかしさを感じる部分も含め、人に発表する価値なのではとも思う。

 

人前で発表する効果にはどんなものがあるだろうか。

メッセージが明確になる

まず言語化が挙げられる。これが一番大きなメリットだと思う。

人に何かを伝えるために、どういう構成で説明するのが良いか、どんなストーリーを展開すると理解してもらいやすそうかということを考えるはずだ。

その過程で必ず、言語化というプロセスを経る必要がある。

このことにより、自分自身で考えていることがより明確になる。「果たして真のメッセージ(言いたいこと)は何か」と向き合わなければならないからだ。

    人に説明するということは、人を説得することと近い。数学の証明問題とも似ている。

    最終的な主張があって、そのための根拠や理由がある。最初から最後まで聞くと、どうしてそういう結論(主張)になるのかがすんなり理解できる、そういうプレゼンテーションが良いプレゼンテーションだと思う。

    資料を作り、説明の仕方を考える過程で、頭の中でその証明が矛盾なくすんなり腹落ちするかどうかの検証を何度も繰り返すので、自分の主張がどんどん強化されていく。もしくは、説明するうちに自分の主張の誤りに気付くかもしれない。主張そのものがおかしかったとか、根拠が弱かったとか、本当は別のことが言いたかったのだ、とか。

    言語化が加速する

    発表の日をFixすることによって、「この日までに人に発表しなければならない」という締め切りが発生し、言語化が加速する効果もある。

    後戻りできないよう自分を追い込む効果ともいえる。

    また、人に説明すると決めることで、もしかしたら資料を作り始めるかもしれない。自分ひとりだったらぼんやり考えて終わってしまうようなことも、誰かを想定して発表すると決めることで、自分自身に「きちんと準備しなければ」というプレッシャをかけることができる(人を巻き込んでいるともいう)。

    フィードバックが得られる

    実際に発表し、人からフィードバックを貰えることも発表の価値のひとつだ。

    自分が思ってもいなかった反応がもらえる場合もある。

    これはオンラインで一方的な講義などを行った場合には得られない効果なので注意が必要。

    事後アンケートを取るとか直接感想を伺いにいくとかそういった工夫がいる。

    また、フィードバックをどのように受け止めるかという自分自身のあり方がいちばん重要であるという点を強調しておく。

    人に影響力を与え行動を促す

    その主張を人に伝え、そのことで周りに影響力を及ぼすことができるというのが、そもそもの目的であり、最大の効果である。

    そもそも、プレゼンテーションとは、自分の考えを他者に伝えることによって、他者になんらかの行動を促すために行うものである。

     

    ばっと思いつくのはこんなところ。

    こう考えてみると、発表したあとに多少の後悔は残るものの、人に伝える場を設けるというのは自分の考えを整理し強化するのに効果的だと思ったりする。

     

    写真は土手に沈んでいく太陽。
    【参考】当日のプレゼンテーション資料はこちら

     

    京野
    ばいちゃ!
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